◆スタッフインタビュー(2) 美術:伊藤聖◆
Q・N.Y.ロケハンでの印象的なエピソードをおしえて下さい 出発する際に、私はなるべく細かいもの、ディティールが分かるような寄りの写真を撮るので、監督は全体が分かるような引きの写真をお願いします、みたいな話をしていたのですが、実際に行ってみるとそのスケールの大きさに圧倒されて、気がついたら引きの写真ばかり撮っていました。これはいかんと思いながらもついつい撮ってしまいました。で、帰国して監督の写真と照らし合わせてみるとやはり同じようなところを撮っていました。でもとても実のあるロケハンでした。 Q・美術でこだわっている部分について―― この作品では、においにこだわりたいと思っています。それは場所であり、天気であり、1930代のアメリカのにおいというのを、私なりの表現でうまく伝えることができればと思っています。 Q・苦労していることは―― 設定は苦労してます。まずは原作をもとにしていますが、あとはロケハンで撮った写真、当時の写真集、映画などから、それぞれ使えそうなところを組み合わせて作っていくのですが、監督もいろいろ調べてくださって、これは当時にはなかったんじゃないかとか、こういう感じだったんじゃないか、など毎日壮絶なやり取りを繰り広げています。これは大変だなと思いながら「バッカーノ!」の世界が出来上がっていくのがうれしくもあります。 Q・一番好きなキャラクターとその理由をおしえて下さい フィーロ。何となく好き。 Q・ファンへメッセージをお願い致します まずは、数多のキャラクターが繰り広げるバカ騒ぎを存分に楽しんでください。美術も、その後ろでしっかり存在感を出したいと思っていますので、少しでも関心を持っていただけると幸いです。 伊藤聖(いとうあきら) アニメーション美術監督。1973年山梨県生まれ。’03「なるたる」でシリーズ美監デビュー。代表作「MEZZO」「エルフェンリート」他 |
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